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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻4号

1989年04月発行

文献概要

特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(3)1988年9月 東京 学会原著

家族性大腸腺腫症にみられた先天性網膜色素上皮肥大について

著者: 町田拓幸1 渡邉郁緒1 土屋政仁2 馬場正三2

所属機関: 1浜松医科大学眼科 2浜松医科大学第2外科

ページ範囲:P.511 - P.514

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 家族性大腸腺腫症(FAC)患者とその家族,15家系41名について網膜色素異常の発生頻度を調べた。すでにポリープの発見されている患者23例中20例87%に,保因者の可能性のある第二世代14例中6例42.9%に網膜色素異常を認めた。病変は赤道部よりも後極寄りの比較的大きなものと,周辺部の点状の小さなものの2群に大別された。
 眼底に色素が出現すると予測される疾患を除く一般眼科患者1,984名のprospectiveな調査で6例(0.3%)に色素斑を認め,5例は周辺部の点状色素斑,1例は赤道部付近の比較的大きな色素斑であった。
 これらの結果から,網膜色素異常をFACのmarkerとしてスクリーニングを行った場合の敏感度は0.87,特異度は0.997と計算された。後極寄りの大きな病変で楕円形のものはFACにかなり特異的であると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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