icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻4号

1989年04月発行

文献概要

特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(3)1988年9月 東京 学会原著

網膜色素線条症における黄斑部合併症について

著者: 佐藤圭子1 池田誠宏1 河野剛也2 三木徳彦2

所属機関: 1大阪市立城北市民病院眼科 2大阪市立大学医学部眼科

ページ範囲:P.519 - P.523

文献購入ページに移動
 過去13年間に網膜色素線条症と診断された23例46眼中,黄斑部合併症(黄斑部網膜下新生血管)を有した11例20眼(43.5%)を検討した。症例は男性7例14眼,女性4例6眼で,全例40歳以上で,50〜60歳代が81.8%を占めた。黄斑部合併症を有する群と有さない群との間で,弾力線維性仮性黄色腫およびpeau d'orange,salmon spots等の眼底所見の合併率に差はなかった。黄斑部合併症群の10例17眼85%に,螢光眼底造影でhypofluorescent dotsを黄斑部耳側あるいは乳頭周囲に認め,その程度はhypofluorescent dotsのみを示すものから,dotsの周囲にhyperfluorescenceを呈するものまでさまざまであった。本所見は検眼鏡的にはほとんど認められず,螢光眼底造影でのみ観察された。光凝固で4例6眼は瘢痕化したが,2例2眼は新生血管が増大し,視力は悪化もしくは不変であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?