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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻4号

1989年04月発行

文献概要

特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(3)1988年9月 東京 学会原著

内皮網に影響を与える薬剤の研究—1.ビタミンA

著者: 保谷卓男1 裏川佳夫1 宮崎守人1 石原淳1 天谷次郎1 甘利富士夫1 瀬川雄三1

所属機関: 1信州大学医学部眼科

ページ範囲:P.539 - P.543

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 65歳,67歳,84歳,87歳の正常屍体摘出眼より得た線維柱組織を,(1)対照群,(2)chondroitin-6-sulfate (CD6S)投与群,(3)CD6S+Vitamin A acetate (VA)投与群に分け,2週間器官培養した。
 各群より得た培養組織片の透過電顕試料を作製し,内皮網における構成要素,細胞成分,細胞外要素,空白部分の面積百分率を,画像解析装置を用いて計測比較した。
 その結果,培養人線維柱組織にCD6Sを投与することにより,短期間で確実に内皮網内に細胞外要素を増加させることができた。また,そこにVAを投与すると,増加した細胞外要素が減少した。POAG眼の内皮網に多量に蓄積している細胞外要素をVA投与により減少させることも可能であった。
 ビタミンAは新しい抗緑内障治療薬になる可能性のある薬剤であると思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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