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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻4号

1989年04月発行

特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(3)1988年9月 東京

学会原著

インスリン非依存型糖尿病(NIDDM)患者妊娠時の眼科的管理

著者: 木戸口裕1 大井いく子1 堀貞夫1 清水明実2 大森安恵2 平田幸正2

所属機関: 1東京女子医科大学糖尿病センター眼科 2東京女子医科大学糖尿病センター内科

ページ範囲:P.561 - P.564

文献概要

 インスリン非依存型糖尿病(NIDDM)患者,152人179出産例について,妊娠中の糖尿病性網膜症の変化を検討した。妊娠初回検査時,132例には網膜症がみられず,そのうち21%(28/132例)には,妊娠中に単純型網膜症が生じたが,残り79%(104/132例)は,網膜症は生じなかった。また,47例には妊娠初回検査時より網膜症がみられ,このうち38%(18/47例)に網膜症の悪化が生じ,62%(29/47例)は網膜症の変化がみられなかった。特に,福田分類AⅡ以上の網膜症を有する例では,妊娠中の網膜症悪化率が高かった。
 当初から,あるいは妊娠中に進展し前増殖期網膜症または増殖期網膜症を呈したものは9例あった。このうち5例は,光凝固により網膜症の進行は停止したが,2例は進行を阻止することができなかった。妊娠時にすでに網膜症があると,網膜症が進行しやすいが,糖尿病罹病期間が長いほど妊娠中の網膜症悪化率は高く,妊娠前の血糖コントロールが良好であると,妊娠中の網膜症悪化率は低かった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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