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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻4号

1989年04月発行

文献概要

特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(3)1988年9月 東京 学術展示

シリコンチューブによる経網膜裂孔的網膜下液排除法

著者: 前田耕志1 照林宏文1 赤木好男1

所属機関: 1京都府立医科大学眼科

ページ範囲:P.586 - P.587

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 緒言 難治性網膜剥離を硝子体手術で処理する場合,網膜下液の排除にはinternal drainageと呼ばれる手法が用いられる。一般にinternal drainageは後極部に人工裂孔を作製して行われるが,むやみに人工裂孔を作製することは好ましくない1)。しかし既存裂孔を利用し網膜裂孔を最下部に位置するよう体位を変えて網膜下液吸引を行う方法は煩雑,完全排液困難などの欠点を有する。今回,われわれはこの欠点を補うために考案されたシリコンチューブ付き眼内液排除針2)を使用する機会を得たので報告する。
 方法 Grieshaber社製cannulated extrusion nee—dle (図1,以下本器具と略す)を用いた。本器具は外径20ゲージの先端を持つステンレス製支持部とその内部で移動する外径0.64mm内径0.31 mmのシリコンチューブよりなり,チューブは18mmまで伸展可能である。チューブの伸縮はチューブと連結している支持部本体のノブを示指にてスライドさせることにより行う。ノブには排気孔が設けられ示指にて排気孔を閉鎖すれば吸引装置使用により能動的吸引が可能となり,排気孔を開放すればチューブ末端は大気圧と等圧となるため眼内液空気同時置換が行える。今回はC3(症例1)およびD1(症例2)のPVR 2症例を手術対象とした。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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