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特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(3)1988年9月 東京 学術展示
広範な周辺部角膜虹彩癒着を伴った症例について
著者: 大路正人1 宇仁明彦2 木下茂3 松田司3 清水芳樹4 額田朋経5
所属機関: 1大阪労災病院眼科 2大阪回生病院眼科 3大阪大学眼科 4府立羽曳野病院眼科 5市立豊中病院眼科
ページ範囲:P.616 - P.617
文献購入ページに移動症例 症例1:52歳の女性で左眼の充血を主訴として1988年4月近医を受診し,続発性緑内障の診断にて当科を紹介された。既往歴および家族歴には特記すべき事はなかった。初診時の矯正視力は右眼1.0,左眼1.0,眼圧右眼13mmHg,左眼15mmHgであった。右眼には異常は認めなかったが,左眼には角膜周辺部に幅約2mmの輪状の虹彩前癒着を認め,虹彩前癒着の認められる部位の角膜は白く浮腫状を呈していた。瞳孔は12時の方向に軽度変位しており,1時から2時の位置に虹彩表層の欠損を認めた。また prominent anterior displaced Schwalbe's lineは認められず,隅角付近には虹彩前癒着のないclear zoneを認めた(図1)。輪状の虹彩前癒着のため虹彩は前方に牽引され,虹彩と水晶体の間の距離は拡大していた。
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