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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻4号

1989年04月発行

文献概要

臨床報告

両眼の乳頭上に発生した網膜細動脈瘤の1例

著者: 岩澤暁1 馬嶋昭生1 白井正一郎1 滝昌弘1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.619 - P.623

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 両眼の乳頭上に多発した網膜細動脈瘤を,6年間にわたって経過観察した。症例は51歳の女性で,主訴は左眼に急発した視力障害であった。左眼の上耳側動脈枝に1個,乳頭面上に2個の網膜細動脈瘤が認められ,矯正視力は0.01であった。網膜出血と黄斑部浮腫は次第に消退し,上耳側動脈の細動脈瘤は器質化して7ヵ月後には視力は1.0まで改善した。2個の乳頭面上の細動脈瘤もやや発赤拡大した後,4年6ヵ月後に器質化した。初診時右眼にも,4分の1乳頭径で黄色円形の細動脈瘤が3個乳頭上に認められた。中央の1個は,発赤して1乳頭径まで拡大し,4年3ヵ月後には網膜中心動脈枝閉塞症を併発したが,4年6ヵ月後に黄白色となり器質化してきた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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