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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻4号

1989年04月発行

文献概要

Just Arrived

汎網膜光凝固の視神経乳頭陥凹に及ぼす影響

著者: 桂弘12

所属機関: 1慶大眼科 2オークランド大学

ページ範囲:P.673 - P.673

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 糖尿病患者では,正常人と比べて,緑内障の罹患率が高いと言われているが,特に増殖性糖尿病性網膜症で汎網膜光凝固を施行された症例では,緑内障性視野異常を検出することは非常に困難であり,乳頭陥凹の診断上の重要性がより高いと考えられる。しかし,光凝固による組織障害が網膜内層,特に神経線維層に及ぶと,上行性萎縮によって視神経にも影響が波及する可能性がある。そこで,汎網膜光凝固の乳頭陥凹に及ぼす影響を知る目的で,増殖性糖尿病性網膜症100例について,汎網膜光凝固施行前と施行1年後の視神経乳頭の立体写真からcup-to-disc ratioを測定し,比較検討した。コントロールとしては,光凝固を施行していない他眼を用いた。その結果,汎網膜光凝固施行1年後では,乳頭陥凹の程度に有意の変化は認められず,これはアルゴンレーザーでもキセノン光凝固でも同様であった。以上より,乳頭陥凹は,汎網膜光凝固施行後の糖尿病患者においても,緑内障の診断上,信頼できる指標であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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