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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻5号

1989年05月発行

文献概要

特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(4)1988年9月 東京 学会原著

多彩な眼症状を呈し,くり返し再発のみられた急性後部多発性小板状色素上皮症の1例

著者: 大坂幸英1 早川正明2 阿部徹1 高橋誠1 中山龍子1 櫻木章三1

所属機関: 1秋田大学医学部眼科 2早川眼科医院

ページ範囲:P.689 - P.692

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 多彩な眼症状を呈し,くり返し再発のみられた急性後部多発性小板状色素上皮症(AP-MPPE)の1例について報告した。症例は32歳の女性で,経過中に,虹彩毛様体炎,網膜小出血,乳頭炎,漿液性網膜剥離,後部強膜炎様所見等の眼症状が出現した。本症例は,4年9ヵ月の間に8回の発症をくりかえした後,黄白色滲出斑が消退した部位に多数のwindow defectが散在性にみられるようになった。
 経過中,APMPPEにみられる滲出斑および螢光眼底所見を呈したものの,初発時の螢光眼底所見,虹彩毛様体炎の反復,発症時の頭痛,眼痛の出現などから,本症例は,原田病,サルコイドーシスとの鑑別が困難であると思われた。本症例は,APMPPEが免疫学的炎症反応によっておこる症候群的なものであることを示唆している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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