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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻5号

1989年05月発行

特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(4)1988年9月 東京

学会原著

マルファン症候群における網膜剥離の検討

著者: 上村昭典1 出田秀尚1 長崎比呂志1 出田邦夫1 吉野幸夫2

所属機関: 1出田眼科病院 2東京医科歯科大学眼科

ページ範囲:P.711 - P.714

文献概要

 マルファン症候群に伴う網膜剥離11例11眼について臨床的検討を加えた。11眼中8眼(73%)が無水晶体眼であり,うち6眼に硝子体脱出の既往が認められた。また,7眼(64%)に網膜格子状変性による裂孔形成がみられた。網膜剥離の程度は重篤なものが多く,PVR-D群が4眼あった。手術には全例にシリコン埋没術を行い,このうち6眼には硝子体手術の併用を必要とした。その9眼(82%)に復位が得られた。網膜剥離発生には硝子体脱出と網膜格子状変性が大きな役割を演じているので,剥離発生の予防として水晶体摘出を行う場合は経毛様体扁平部水晶体摘出術を用い,また術眼他眼を問わず,網膜格子状変性には冷凍凝固などの処置が必要であると考える。手術に際しては,眼底が見えない部分や裂孔の否定できない部分に対しても広い範囲をバックルで覆うことが治療成績の向上につながると考える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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