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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻5号

1989年05月発行

特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(4)1988年9月 東京

学会原著

アトピー性白内障と網膜剥離の発生

著者: 森寺威之1 田中康裕2 田中淑子2 泉谷昌利2 今村誠志2 萩野誠周3

所属機関: 1京都大学医学部眼科 2和歌山赤十字病院眼科 3愛知医科大学眼科

ページ範囲:P.734 - P.736

文献概要

 アトピー性皮膚炎に伴う白内障に,網膜剥離を伴った3例4眼を報告した。第1例は白内障術前より網膜剥離を認め,白内障術後,網膜剥離手術を施行し,一旦復位ののち,再発,悪化した。第2例の2眼は白内障術後に剥離が発生した。全4眼とも,後嚢が残存しており,網膜の復位に,硝子体切除術,輪状締結術,網膜冷凍凝固術,後嚢切除術を要した。
 症例1と2において,網膜剥離に一致して白内障術後の後嚢と毛様体突起の癒着を認めた。症例1において,硝子体手術中に明瞭な硝子体線維を認めた。このような網膜剥離の手術には,硝子体切除術と,後嚢切除術との併用が必要な症例があると考えた。アトピー性白内障の手術には,超音波乳化吸引術や嚢外摘出に,後嚢切除術と前部硝子体切除術との併用あるいは pars plana len‐sectomyが望ましいと考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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