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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻5号

1989年05月発行

文献概要

特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(4)1988年9月 東京 学会原著

蚕食性角膜潰瘍に対するkeratoepithelioplastyの長期予後

著者: 木下茂1 大橋裕一1 大路正人1 下村嘉一1 眞鍋禮三1

所属機関: 1大阪大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.737 - P.740

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 狭義の蚕食性角膜潰瘍10例10眼にkeratoepithelioplasty (KEP)を施行し,その術後長期経過観察を行った。手術術式はKEP単独を6眼に,KEPと表層角膜移植の併用を4眼に行った。手術眼は術後すみやかに消炎し,いわゆる再手術を必要とした例はなかった。しかし,術後6ヵ月以内に軽度の上皮浸潤と潰瘍が4眼に発生した。2眼はステロイド結膜下注射にすみやかに反応し治癒した。他の2眼はステロイド結膜下注射に反応したが完全な治癒を認めなかったため,一部追加結膜切除を行い治癒した。術後7〜12ヵ月では軽度の上皮浸潤が2眼に発生したが,ステロイド結膜下注射により治癒した。術後12ヵ月以降たは上皮浸潤や潰瘍発生は認めなかった。術前視力は最終観察時まで良好に保たれていた。上述の結果より,蚕食性角膜潰瘍に対するKEPは術後適切な管理を必要とするが,長期予後からみても有効な手術方法と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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