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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻5号

1989年05月発行

文献概要

特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(4)1988年9月 東京 学会原著

極小未熟児における網膜症の発生・進行と動脈血二酸化炭素分圧に関する研究(Ⅲ)

著者: 市川琴子1 馬鳴昭生1 塚本純子1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部眼科

ページ範囲:P.771 - P.774

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 出生体重1,500g以下の極小未熟児84例を対象とし,未熟児網膜症(ROP)の危険因子に対する動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)等のガス分析値の重要性の程度を決定するために,統計学的検討を行った。まずガス分析値の他に,一般に危険因子と考えられている他の項目も含めて,全25項目とROP重症度との相関分析を行った。その結果,動脈血酸素分圧(PaO2)最低値およびPaCO2最高値と各々有意な相関関係があった。次に我々が考案したROP重症度指数を目的変数とし,上記危険因子を説明変数とした重回帰分析を行った。この解析では,少数例のもつデータが過大評価されることのないようにⅠ型のみを対象とし,さらに最重要因子である出生体重,在胎週数以外の危険因子を明らかにするために上記2者を除く検討を行った。その結果,PaCO2最高値とPaCO2最低値との比が選択された。すなわち,PaCO2はその高値と共に低値もまたROPの進展に関与することが明らかになった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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