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論文論
文献概要
なにかを言うのに,ある特定の言回しがあまりに何度も使われてきたために,すっかり手垢がついてしまった表現があります。漱石の「猫」で,これが「月並み」として議論されているのは,どなたも御存知のことです。
眼科の論文で「月並み」に該当するのは何だろうと考えてみした。まず金メダルに該当するのが,「NovotnyとAlvisにより1960年に開発された」という表現でしょうか。当然このあとに「蛍光眼底造影」が続きます。これの使用頻度は20回や30回は軽く越している筈です。この文章を見ると,反射的に「浦賀湾頭の黒船は300年の太平の夢を覚まし」を連想してしまうのです。「誰でも知っていることを今更なぜ言わなければならないのか」ということにもなり,シラケの原因にもなるのです。
眼科の論文で「月並み」に該当するのは何だろうと考えてみした。まず金メダルに該当するのが,「NovotnyとAlvisにより1960年に開発された」という表現でしょうか。当然このあとに「蛍光眼底造影」が続きます。これの使用頻度は20回や30回は軽く越している筈です。この文章を見ると,反射的に「浦賀湾頭の黒船は300年の太平の夢を覚まし」を連想してしまうのです。「誰でも知っていることを今更なぜ言わなければならないのか」ということにもなり,シラケの原因にもなるのです。
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