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臨床報告
網膜血行が完全に途絶をした内頸動脈閉塞症の1例
著者: 古橋久美子1 向野利彦1 石橋達朗1 猪俣孟1
所属機関: 1九州大学医学部眼科
ページ範囲:P.849 - P.852
文献購入ページに移動内頸動脈などの閉塞または狭窄によって眼内循環血液量が低下し,眼球とくに前眼部に毛様充血,角膜浮腫,虹彩ルベオーシスなどの前眼部炎症様症状をきたす例は Knox1)により ocular is-chemic inflammationとして最初に報告された。
内頸動脈閉塞症に伴う眼症状として,自覚的には一過性黒内障発作,一過性視野欠損,色視症,複視,視力障害などが,他覚的には球結膜充血,虹彩毛様体炎,血管新生緑内障,白内障,瞳孔不同,眼球運動障害などがある。眼底変化としては’網膜動脈閉塞症2〜4),虚血性視神経症5,6),高血圧性網膜症7),網膜中心静脈閉塞症8)などの症状を呈することが知られている。
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