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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻5号

1989年05月発行

文献概要

臨床報告

硝子体手術後に発生した血管新生緑内障に対する眼内光凝固予防効果

著者: 加藤由起1 大島健司1 大塩善幸1 百枝榮1

所属機関: 1福岡大学医学部眼科

ページ範囲:P.857 - P.859

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 硝子体手術中の眼内光凝固による汎網膜光凝固が,術後の新生血管緑内障の発症予防にいかなる効果があるかを調べた。
 対象は,術前にほとんどあるいは全く光凝固が行われていなかった増殖型糖尿病性網膜症の60例69眼で,全例に硝子体手術,シリコンオイルタンポナーデを施行し,術後最低3ヵ月間の経過観察中には網膜再剥離が認められなかった症例である。
 術中に眼内光凝固を汎網膜的に行った13例16眼中には術後血管新生緑内障を発症した例はなかった。他の47例53眼には術中に汎網膜光凝固を行わず,術後に汎網膜光凝固を施行したが,そのうち5眼に血管新生緑内障が発症し,その3眼は無水晶体眼であった。
 硝子体手術中に眼内光凝固を汎網膜的に施行することは,術後の血管新生緑内障発症予防に効果があると思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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