文献詳細
特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(5)1988年9月 東京
学会原著
文献概要
アトピー性皮膚炎に伴う網膜剥離の特徴と手術成績を明らかにするために,最近6年間に当科で手術したアトピー性皮膚炎に伴う網膜剥離の症例を検討した。症例は15例19眼あり,片眼性10例,両眼性5例で,平均年齢は20歳であった。症例数は近年ほど増加していた。対象眼では11例13眼にアトピー性白内障がみられ,そのうち9眼で白内障の強い方に網膜剥離が発生していた。また白内障手術後に網膜剥離の発生,発見例が多く(9眼),アトピー性白内障の術後は網膜剥離の発生に充分注意を払う必要がある。
網膜剥離は大別して2つの型があり,1.眼底最周辺部に裂孔があり,周辺部に硝子体混濁と灰白色の著しい網膜混濁を認める扁平な網膜剥離。2.赤道部の格子状変性に伴う円孔または裂孔による通常の若年型の網膜剥離であった。前者は白内障との関連が強く,アトピー性網膜剥離と呼ぶことができる。この型の網膜剥離が14眼(74%)あった。後者は若年型の網膜剥離の発症年齢が年少に早まったものとみられた。
手術は全例scleral buckling法を行い,そのうち輪状締結術の必要例が多くあった。再手術を要したのは6眼で,平均手術回数は1.47回であり,最終的に全例復位し,手術成績は良好であった。硝子体手術の適応例はなかった。
網膜剥離は大別して2つの型があり,1.眼底最周辺部に裂孔があり,周辺部に硝子体混濁と灰白色の著しい網膜混濁を認める扁平な網膜剥離。2.赤道部の格子状変性に伴う円孔または裂孔による通常の若年型の網膜剥離であった。前者は白内障との関連が強く,アトピー性網膜剥離と呼ぶことができる。この型の網膜剥離が14眼(74%)あった。後者は若年型の網膜剥離の発症年齢が年少に早まったものとみられた。
手術は全例scleral buckling法を行い,そのうち輪状締結術の必要例が多くあった。再手術を要したのは6眼で,平均手術回数は1.47回であり,最終的に全例復位し,手術成績は良好であった。硝子体手術の適応例はなかった。
掲載誌情報