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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻6号

1989年06月発行

文献概要

特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(5)1988年9月 東京 学会原著

Multifocal fibrosclerosisと思われた1症例について—眼窩病変を中心に

著者: 斎藤和幸1 鈴木一作1 高橋茂樹1

所属機関: 1山形大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.925 - P.929

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 後腹膜線維症,縦隔線維症そして眼窩の偽腫瘍を合併したmultifocal fibrosclerosisと思われる症例を報告した。症例は,51歳の男性で,主訴は両眼球の突出。軽度の貧血,低蛋白症,血沈の亢進,CRPの上昇がみられたが甲状腺機能は正常。CT検査から両眼窩内,両側の腎周囲および縦隔洞内にsoft density massを認め,眼窩部および腎周囲の組織より,リンパ球を中心とした慢性炎症細胞の浸潤を伴う肉芽腫様の結合組織が認められた。
 当初は,両眼球突出と結膜の充血のみであったが,その後,眼底は眼球後部からの圧迫によると思われる網膜の皺壁が認められた。さらに1カ月後,網脈絡膜には浸潤様の軟性斑がみられた.これらに対して,ステロイド剤の全身投与を行い,病状の軽快,固定化が認められたが最終的には,心不全,腎不全を起こし死亡した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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