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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻6号

1989年06月発行

文献概要

特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(5)1988年9月 東京 学会原著

後天色覚異常におけるパネルD−15テストの限界—先天赤緑異常に視神経疾患を合併した症例について

著者: 野地潤1 岡部高雄1 神立敦1 環龍太郎1 北原健二1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学眼科

ページ範囲:P.939 - P.942

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 Farnsworth dichotomous test (PD−15)を先天赤緑異常に視神経疾患を合併した5例に施行した。うち3例で白色背景野における中心部の分光感度を測定した。この3例で,全波長領域にわたり感度低下があり,特に短波長領域すなわち青錐体系の反応は著明に低下していた。
 PD−15では,1例はpass,4例は赤緑異常を呈し,いずれも青黄異常軸の混同はなく,分光感度測定で示された青錐体系の障害は反映されなかった。
 先天色覚異常に後天色覚異常を合併した場合には,後天色覚異常のタイプ判定は不可能であり,また,PD−15のみで後天色覚異常のタイプを判定することには問題があると考察した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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