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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻6号

1989年06月発行

文献概要

臨床報告

糖尿病病期と前房蛋白濃度—1.網膜症病期との相関

著者: 加藤聡1 大鹿哲郎2 船津英陽3 澤充4

所属機関: 1東京大学医学部眼科 2東京厚生年金病院眼科 3三井記念病院眼科 4東京大学医学部付属病院角膜移植部

ページ範囲:P.1005 - P.1008

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 糖尿病性網膜症の各病期と前房蛋白濃度との関連を,フレアー・セルメーターを用いて,網膜光凝固術施行眼を含む184眼について検討した。糖尿病性網膜症の病期分類には福田分類を用い,網膜症を有しないものを0期とした。前房蛋白濃度は,福田分類の病期の進展とともに増加し,両者の間に有意の相関が認められた(0期,AⅠ期,AⅡ期間でr=0.5055(P=0.0000),B期の各期間でr=0.4549(P<0.0001)。0期と正常人の前房蛋白濃度との間には有意差はなかったが,0期とAI期(P<0.01),AI期とAⅡ期(P<0.05),AⅡ期とAⅢ期(P<0.01),AⅡ期とBI期(P<0.0l),AⅢ期とBI期(P<0.05),BI期とBⅡ期(P<0.01)の間で有意差がみられた。糖尿病の眼合併症として,血液房水柵機能の異常と糖尿病性虹彩症が初期より存在していることが示された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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