文献詳細
臨床報告
文献概要
遷延した経過を示すとともに,特異かつ高度な眼外合併症を生じたVogt—小柳—原田病(以下VKH)の1例を報告する。
本例は,37歳の女性で発病時結膜炎として他医の治療を約1ヵ月半受けたのち,当科初診し,VKHと診断された。ただちにステロイドを全身投与し,約30日後に眼内炎症は軽快したためステロイド離脱をした。ところがその直後より虹彩炎の再発を繰り返すとともに難聴と脱毛の悪化,自発眼振を伴うめまいがみられた。平衡機能検査で末梢性前庭障害,聴力検査で末梢性感音性難聴が認められた。脱毛は高度になり悪性脱毛症と診断された。これら眼外症状は,ステロイド全身投与を再開して初めて軽快傾向をみた。このように眼外症状が強く出たという報告は稀である。
本症の経過が遷延した原因の一つは,ステロイド治療開始の遅れたことにあると考えた。さらに,眼振と難聴と本症の関連も考察した。
本例は,37歳の女性で発病時結膜炎として他医の治療を約1ヵ月半受けたのち,当科初診し,VKHと診断された。ただちにステロイドを全身投与し,約30日後に眼内炎症は軽快したためステロイド離脱をした。ところがその直後より虹彩炎の再発を繰り返すとともに難聴と脱毛の悪化,自発眼振を伴うめまいがみられた。平衡機能検査で末梢性前庭障害,聴力検査で末梢性感音性難聴が認められた。脱毛は高度になり悪性脱毛症と診断された。これら眼外症状は,ステロイド全身投与を再開して初めて軽快傾向をみた。このように眼外症状が強く出たという報告は稀である。
本症の経過が遷延した原因の一つは,ステロイド治療開始の遅れたことにあると考えた。さらに,眼振と難聴と本症の関連も考察した。
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