icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻6号

1989年06月発行

文献概要

臨床報告

多彩な症状を呈したVogt—小柳—原田病

著者: 永松直子1 島川真知子1 田村正1

所属機関: 1国立病院医療センター眼科

ページ範囲:P.1015 - P.1018

文献購入ページに移動
 遷延した経過を示すとともに,特異かつ高度な眼外合併症を生じたVogt—小柳—原田病(以下VKH)の1例を報告する。
 本例は,37歳の女性で発病時結膜炎として他医の治療を約1ヵ月半受けたのち,当科初診し,VKHと診断された。ただちにステロイドを全身投与し,約30日後に眼内炎症は軽快したためステロイド離脱をした。ところがその直後より虹彩炎の再発を繰り返すとともに難聴と脱毛の悪化,自発眼振を伴うめまいがみられた。平衡機能検査で末梢性前庭障害,聴力検査で末梢性感音性難聴が認められた。脱毛は高度になり悪性脱毛症と診断された。これら眼外症状は,ステロイド全身投与を再開して初めて軽快傾向をみた。このように眼外症状が強く出たという報告は稀である。
 本症の経過が遷延した原因の一つは,ステロイド治療開始の遅れたことにあると考えた。さらに,眼振と難聴と本症の関連も考察した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら