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臨床報告
単クローン性抗体酵素抗体法(アデノクロン)による結膜中のアデノウイルスの迅速検出
著者: 青木功喜1 沢田春美2
所属機関: 1青木眼科 2北海道衛生研究所
ページ範囲:P.1035 - P.1039
文献購入ページに移動モノクローナル抗体をcapture antibodyとした酵素抗体法,Adenoclone (Cambridge Bio Sci-ence)を用いて急性結膜炎患者の結膜擦過物中のアデノウイルス抗原の検出を行った。アデノウイルスを分離培養できた57例の急性結膜炎患者において,急性期の結膜擦過物から38例(66.7%)にアデノウイルス抗原を検出できた。これに対してアデノウイルスが分離できなかった25例においては,22例(88.0%)が陰性で3例は偽陽性であった。発病初期の結膜擦過浮遊液が15分から70分でAdenocloneにより青色化した検体のOD値は0.076以上を示し陽性と判定された。この方法のsensitivityは66.7%,specificityは88.0%でaccuracyは73.2%であり,本法は急性結膜炎の病因検索において迅速,簡便かつ特異的な方法である。
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