文献詳細
臨床報告
文献概要
糖尿病眼の血液房水柵の障害を評価するため,網膜症のない糖尿病患者192例376眼,福田分類AIの網膜症がある114例217眼に対し,螢光虹彩撮影と前眼部螢光測定を行った。
螢光虹彩撮影では,瞳孔縁からの螢光漏出pupillary leakageの頻度が正常者より高く,60歳以下の年齢層で有意差があり,網膜症のある群ではない群よりこれが顕著であった。高齢者では漏出頻度が増加し,瞳孔縁部以外からの漏出extrapupillary leakageが出現した。前眼部螢光測定では,網膜症の発現前の時期から前房内フルオレセイン濃度/血漿タンパク非結合フルオレセイン濃度(Fa/Fp値)が高値であり,高齢者ではこれが有意であった。網膜症のある群,HbA1c値が7%以上の群,インスリン治療群では,これがさらに高値を示した。
以上より,糖尿病眼では,網膜症が出現する前から血液房水柵の障害があること,加齢,網膜症の出現,HbA1c値の増加などが,障害増悪の因子であると結論される。
螢光虹彩撮影では,瞳孔縁からの螢光漏出pupillary leakageの頻度が正常者より高く,60歳以下の年齢層で有意差があり,網膜症のある群ではない群よりこれが顕著であった。高齢者では漏出頻度が増加し,瞳孔縁部以外からの漏出extrapupillary leakageが出現した。前眼部螢光測定では,網膜症の発現前の時期から前房内フルオレセイン濃度/血漿タンパク非結合フルオレセイン濃度(Fa/Fp値)が高値であり,高齢者ではこれが有意であった。網膜症のある群,HbA1c値が7%以上の群,インスリン治療群では,これがさらに高値を示した。
以上より,糖尿病眼では,網膜症が出現する前から血液房水柵の障害があること,加齢,網膜症の出現,HbA1c値の増加などが,障害増悪の因子であると結論される。
掲載誌情報