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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻7号

1989年07月発行

文献概要

特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(6)1988年9月 東京 学術展示

筋緊張性ジストロフィの外眼筋ミトコンドリア異常

著者: 伊佐敷靖1 川畑悦男1 大庭紀雄1 中川正法2 樋口逸郎2 納光弘2

所属機関: 1鹿児島大学医学部眼科 2鹿児島大学第3内科

ページ範囲:P.1112 - P.1113

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 緒言 筋緊張性ジストロフィはミオトニー症候群に含まれる常染色体優性遺伝病で,眼科的にもさまざまな徴候を示す系統疾患である。典型的な症例からえられた骨格筋と外眼筋試料を形態学的および生化学的に検討したところ,ミトコンドリア異常を示唆する所見をえたので報告する。
 症例 検索症例は53歳の男性。縦長の特徴ある顔貌と前頭部の脱毛がみられた。神経内科学的検索により,筋緊張性ジストロフィに罹患していることが確認された。眼瞼下垂,眼球運動障害(内転および外転障害が著しい),点状もしくは星亡状水晶体混濁,黄斑部色素上皮網状ジストロフィがそれぞれ両眼にみられた。この症例の骨格筋(上腕二頭筋)と外眼筋(上直筋)の生検試料を形態学的および生化学的に検索した。まず,形態学的には,光学顕微鏡所見として骨格筋と外眼筋はともに筋線維が大小不同で,中心核と間質結合織の増加が顕著であった。さらに,Gomori trichrome染色によれば筋鞘膜下にミトコンドリア集積をもつとみなされるragged red fiberが多数みられた(図1)。Ragged red fiberの出現率は骨格筋でほぼ20%,外眼筋ではほぼ50%であった。電子顕微鏡所見として,それぞれの試料には巨大化したミトコンドリアや結晶様封入体の形成がみられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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