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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻7号

1989年07月発行

文献概要

特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(6)1988年9月 東京 学術展示

眼部腫瘍組織のin vitro NMR緩和時間の測定—その病理組織学的所見との比較検討

著者: 能勢晴美1 本村幸子1 能勢忠男2 坪井一穂3 本間一弘4

所属機関: 1筑波大学臨床医学系眼科 2筑波大学脳神経外科 3筑波大学附属病院眼科 4工業技術院機械技術研究所

ページ範囲:P.1116 - P.1117

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 緒言 磁気共鳴画像(MRI)は組織学的診断の可能性のある画像診断法として近年その臨床応用はめざましいものがある。しかしながら画像の読影は必ずしも容易ではなく,一つ一つの画像の持つ意味を十分に理解するには組織の緩和時間の測定等の基礎的研究が不可欠である。そこで今同我々は摘出した眼部腫瘍のプロトン緩和時間を測定し,その病理組織学的所見と対比させることによりMRIの正しい読影のための知識の確立とさらに腫瘍の生物学的性格に関する新しい情報を得ることを期待し以下の実験を行い知見を得たので報告する。
 方法 眼球内および眼窩内腫瘍の手術中に,その摘出腫瘍組織の一部を直径5mmのNMR用サンプルチューブに採取して密封し,ただちに−75℃で急速凍結して保存した。これを測定の10分前に室温に置き,Bruker社製NMRスペクトラム解析装置MinispecPC−120(常伝導,磁場強度0.47T)を用いてそのT1値ならびT2値を測定した。T1値の測定に際してはpuls sequenceはIR (inversion recovery下法を用い,τの異なる10のtime interva1でエコーを捉え,さらにS/N比を高めるために10回加算を行った。またT2値の測定にはCPMG (Carr-Purce1-Meiboom-Gill)法を用い,8pointでエコーを捉え16回の加算を行った。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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