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特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(6)1988年9月 東京 学術展示
小児の眼窩髄膜腫の1例
著者: 三井健正1 井上克洋1 湯田兼次1 河野宗浩1 藤津和彦2
所属機関: 1横浜市立大学医学部眼科 2横浜市立大学脳外科
ページ範囲:P.1122 - P.1123
文献購入ページに移動症例 患者は9歳女性で,1987年夏より右視力低下を自覚。顔を右に向けて物を見ることに気付かれ,1988年1月に当科を受診した。既往歴,家族歴には特記すべきことはない。眼科所見は右視力光覚,左視力1.2(n. c)。眼位は右外斜視だが,眼球運動制限はなかった。眼球突出度は右13mm,左11mm (Base 84.5mm)。右視神経乳頭耳側は蒼白で右Marcus Gunn瞳孔を認めた。眼圧,前眼部,中間透光体等異常はなかった。右視野は耳側周辺部に残存するのみで,左視野は正常であった(図1)。視束管撮影にて,右視束管の著明な拡大を認めた。hyperostosisの所見は認められなかった(図2)。頭部CTスキャンでは,トルコ鞍右側に造影効果のある腫瘤を認め(図3),腫瘤は視神経にそってintracanalicular segmentよりoptic foramenをへて,intracranial segmentにおよんでいた(図4)。脳血管造影では,右眼動脈起始部の挙上を認めたが,tumor stainingの所見はなかった。血液ホルモン検査では,下垂体機能の異常は認められなかった。神経線維腫症の合併は認められなかった。
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