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特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(6)1988年9月 東京 学術展示
硝子体手術後に高度の遠視化を呈した糖尿病性牽引性網膜症の2例
著者: 池田恒彦1 田野保雄1 細谷比左志1 中江一人1 生島操1 日下俊次1 井上新2
所属機関: 1国立大阪病院眼科 2明和病院眼科
ページ範囲:P.1132 - P.1133
文献購入ページに移動症例 症例1は36歳女性。初診時,右眼は黄斑部牽引性網膜剥離,左眼は黄斑外牽引性網膜剥離であった。右眼に対して硝子体手術を施行し以後経過は良好である。左眼もその後牽引性網膜剥離が黄斑部に進行したため硝子体手術を施行した。後部硝子体剥離が少なく周辺部まで網膜と増殖膜の癒着があったため乳頭を中心として放射状に増殖膜の切開を行ったが周辺部に増殖膜が残存した。その後周辺部より再剥離を来したため計5回の手術を行った(図1)。3回目の手術後短期間に約10ジオプトリーの著明な遠視化を呈した。この時細隙灯顕微鏡検査では水晶体後面の彎曲が著明に減少しており(図2),水晶体後面の残存硝子体が網膜面に対して凹面を形成していた。
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