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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻7号

1989年07月発行

文献概要

臨床報告

眼内レンズ表面膜様物質の由来と細胞の観察

著者: 岡田潔1 佐川宏明2

所属機関: 1多摩丘陵病院眼科 2東邦大学大橋病院眼科

ページ範囲:P.1149 - P.1152

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 術後の眼内レンズ前面をスペキュラマイクロスコープで観察した結果,133眼のうち61眼において,術後4日目から225日目までの間に,灰色の無構造な物質が観察され,その一部は,光の干渉によって,ニュートンリング(干渉縞)を生じていた。灰色の無構造な物質は,術後早期では斑状に認められるが,時間の経過とともに,癒合,拡大し,膜状を示しながら,眼内レンズ前面を覆うのが観察された。この経過は,細胞のみられない部位でも観察された。このことから,灰色の無構造な物質は,眼内レンズ表面にみられた細胞が,分泌したものではなく,前房中の物質が吸着したものであると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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