文献詳細
臨床報告
文献概要
術後の眼内レンズ前面をスペキュラマイクロスコープで観察した結果,133眼のうち61眼において,術後4日目から225日目までの間に,灰色の無構造な物質が観察され,その一部は,光の干渉によって,ニュートンリング(干渉縞)を生じていた。灰色の無構造な物質は,術後早期では斑状に認められるが,時間の経過とともに,癒合,拡大し,膜状を示しながら,眼内レンズ前面を覆うのが観察された。この経過は,細胞のみられない部位でも観察された。このことから,灰色の無構造な物質は,眼内レンズ表面にみられた細胞が,分泌したものではなく,前房中の物質が吸着したものであると考えられた。
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