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臨床報告
角膜上皮のカラースペキュラーマイクロスコピー像
著者: 坪田一男1
所属機関: 1国立栃木病院眼科
ページ範囲:P.1157 - P.1159
文献購入ページに移動 新しく開発された特殊コンタクトレンズ(SMレンズ)を用いると角膜上皮のスペキュラーマイクロスコープ撮影が容易にしかも鮮明に行うことができる。今回この手法を用いて種々の疾患における角膜上皮を観察した。写真撮影は40倍にて高感度カラーフィルムを用いて行った。
正常角膜上皮には,dark cell, medium cell, bright cellの3種の多角細胞が鮮明に観察された。カラー撮影を行うことによりこの3種の上皮細胞をよりよく識別することができた。円錐角膜では円錐を中心としてたまねぎ状に配列した紡錘形の角膜上皮が観察された。Epikeratophakia術後にはこのたまねぎ状の配列は減少したが,術後7ヵ月においても,異常な反射や核を持つ細胞が観察され,同時にbright cellの増加が認められた。角膜移植や角膜上皮剥離後においても,創傷部位を中心としてこの紡錘形細胞は出現し,病状が回復するにつれて紡錘形細胞出現頻度は減少した。紡錘形細胞,異常な反射や核を示す細胞は正常角膜上皮には存在せず,上皮の異常またはその治癒過程に関連があるものと思われた。角膜上皮のカラースペキュラーマイクロスコピー撮影を行うことにより,スリットランプでは検出できない角膜上皮の微細な変化を観察することができた。
正常角膜上皮には,dark cell, medium cell, bright cellの3種の多角細胞が鮮明に観察された。カラー撮影を行うことによりこの3種の上皮細胞をよりよく識別することができた。円錐角膜では円錐を中心としてたまねぎ状に配列した紡錘形の角膜上皮が観察された。Epikeratophakia術後にはこのたまねぎ状の配列は減少したが,術後7ヵ月においても,異常な反射や核を持つ細胞が観察され,同時にbright cellの増加が認められた。角膜移植や角膜上皮剥離後においても,創傷部位を中心としてこの紡錘形細胞は出現し,病状が回復するにつれて紡錘形細胞出現頻度は減少した。紡錘形細胞,異常な反射や核を示す細胞は正常角膜上皮には存在せず,上皮の異常またはその治癒過程に関連があるものと思われた。角膜上皮のカラースペキュラーマイクロスコピー撮影を行うことにより,スリットランプでは検出できない角膜上皮の微細な変化を観察することができた。
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