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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻7号

1989年07月発行

文献概要

臨床報告

長期コンタクトレンズ装用の角膜内皮に及ぼす影響—1.その発生について

著者: 上田直子1 山本美保1 三住千明1 平方秀男1 深尾隆三1 本田孔士1 塩田亮一2

所属機関: 1京都大学医学部眼科 2株式会社サンコンタクトレンズ

ページ範囲:P.1165 - P.1170

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 長期間(平均14.6年)コンタクトレンズ(CL)を装用した39症例74眼の角膜内皮細胞をspecular microscopeで観察し,次の結果を得た。
 (1)変動係数(SD/mean)は15年以上の装用,年齢30歳以上の症例に,平均細胞面積は20年以上の装用,年齢35歳以上の症例に。日本人正常者平均値から離れて,大きな値を示す症例をみた。
 (2) CL非装用者で,明らかに異常な内皮細胞をみたものはなかった。
 (3)装用状態と内皮細胞異常出現の関係を調べたところ,自覚的訴えの有無・検査時の角膜びらんの有無・CLの装着状態の各々と,内皮細胞異常出現との間には関係はみられなかった。しかし,photokeratographで歪みをみたものは,明らかに内皮細胞異常の出現頻度が高く,長期の steepな装用は,内皮に悪影響を及ぼす可能性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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