icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻7号

1989年07月発行

文献概要

臨床報告

糖尿病性網膜症の軟性白斑発症に関与する臨床因子

著者: 船津英陽1 山下英俊2 北野滋彦3 堀貞夫3

所属機関: 1三井記念病院眼科 2東京大学医学部眼科 3東京女子医大糖尿病センター眼科

ページ範囲:P.1175 - P.1179

文献購入ページに移動
 軟性白斑(綿花様白斑)の発症と臨床因子との関連性について検討し,軟性白斑発症前後における血液網膜柵の透過性の変化についても検討した。
 東大病院眼科糖尿病外来で1年間以上,平均20.6ヵ月間観察し得た,単純性及び増殖前糖尿病性網膜症を有するインスリン非依存型糖尿病患者96人を対象とした。糖尿病性網膜症における軟性白斑の発症には,血糖コントロールが関連しており,全身合併症としては神経障害との関連が強くみられた。経過観察中に軟性白斑が出現した例では,眼科初診時に比べ軟性白斑出現時には空腹時血糖値とグリコヘモグロビン(HbAlc)値の平均値が共に有意に低下していた。血液網膜柵の破綻による透過性亢進が,軟性白斑の出現に関連していた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?