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臨床報告
眼内レンズ挿入術後に毛様体—水晶体嚢ブロックによると思われる悪性緑内障が発生した1例
著者: 菅澤啓二1 藤田久仁彦1 武市吉人1 山岸和矢1
所属機関: 1関西医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.1189 - P.1192
文献購入ページに移動症例は54歳の男性で,左眼老人性白内障に対し水晶体嚢外摘出術と後房レンズ挿人術を行い,同時に周辺虹彩切除術を行っていた。手術後1日に浅前房を認め,手術後10日に眼圧上昇,pupil captureの状態となった。隅角には全周に癒着を認めたので,続発性閉塞隅角緑内障と考え,手術後13日に後房レンズ整復と隅角癒首解離術を行った。再手術翌日に再び浅前房と眼圧上昇を来たした。再手術後3日に周辺虹彩切除部からYAGレーザー照射により後嚢及前硝子体膜切開術を行った。数分後に深い前房となり,再手術後7日には正常眼圧を得た。その後は順調な経過をたどった。
この症例は嚢外摘出術,後房レンズ挿入後に発生した毛様体—水晶体嚢ブロックによる悪性緑内障が発生したものと推察した。
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