臨床報告
4分の1周アルゴンレーザーtrabeculoplastyの成績
著者:
森樹郎1
竹中康雄1
白土城照1
所属機関:
1東京大学医学部眼科
ページ範囲:P.1193 - P.1197
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隅角の1/4周に25発のレーザーを照射する1/4周argon laser trabeculoplasty (ALT)を原発開放隅角緑内障61眼,嚢性緑内障10眼,計71眼に対して行った。うち33眼では,2回目の1/4周照射を他の部位に追加した。術後経過観察期間は23から36ヵ月,平均28.2ヵ月であった。最終観察日に術前と同等以下の投薬内容で 20mmHg以下の眼圧コントロールが得られた症例は,原発開放隅角緑内障で33眼(54%),嚢性緑内障で8眼(80%)であった。生命表法(Kaplan-Meier)により求めた術後36ヵ月の眼圧コントロール率は,原発開放隅角緑内障で53%,嚢性緑内障で80%であった。これらの値は,先に行った1/2周ALTのものと有意差がなかった。また眼圧上昇に代表される術後合併症は,1/2周ALTのものに比べて頻度,程度ともに少なかった。1/4周ALTは1/2周ALTとほぼ同等の効果をもち,かつ合併症が少ないことから,より有用な治療法であると考えられた。