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Report from Overseas
ヒト角膜のサル角膜への全層角膜移植
著者: 李辰1 徐錦堂1 孔繁聖1 李佳茘1
所属機関: 1曁南大学医学院眼科
ページ範囲:P.1199 - P.1204
文献購入ページに移動近来eye bankの普及化,角膜graftの保存方法及び手術器械と手術技術の進歩で,ヒトの同種全層角膜移植の成功率は大いに向上した。しかし,なおいくつかの国では宗教的,または他の原因でeye bankの設立はまだいろいろな困難があり,角膜graftの入手が容易でなく,何時でも即時に患者の手術要求に満足できない所がある。それでは,もし緊急手術の場合に,即時に同種角膜graftが手もとにない場合,何かの種類の異種角膜graft使用の可能性がないものか? すなわち異種全層角膜移植は成功の可能性があるかどうか?この意味で,私たちは異種角膜移植の研究の第一歩として,1983年からヒト角膜graftのサルへの全層角膜移植の実験を開始し,そのうち移植graftが1年以上透明保持し得た5例に対して長期観察を行い,また移植graftの角膜内皮のspecular microscope及び走査電顕検査を行ったので,その結果を報告する。
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