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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻8号

1989年08月発行

連載 眼の組織・病理アトラス・34

ダーレン・フックス結節

著者: 猪俣孟1

所属機関: 1九州大学

ページ範囲:P.1226 - P.1227

文献概要

 交感性眼炎では,網膜色素上皮細胞層に散在性の小隆起が認められる。これをダーレン・フックスDalén-Fuchs結節と呼ぶ。交感性眼炎の病理組織学的特徴の一つとされている。フォークト・小柳・原田病でも同様の所見が認められる。夕焼け状眼底の赤道部から周辺部に散在性に見られる小円形の脱色素斑の中にダーレン・フックス結節が含まれている。
 ダーレン・フックス結節は網膜色素上皮細胞層の細胞下にリンパ球や類上皮細胞が浸潤して網膜色素上皮細胞層が押し上げられ,2次的に色素上皮細胞が変性または増殖したものである。変性した色素上皮細胞は色素顆粒が少ないために検眼鏡的には脱色素斑として認められる。陳旧化すると脱色素斑の周囲に色素上皮細胞が増殖して色素沈着が出現することがある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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