文献詳細
文献概要
臨床報告 カラー臨床報告
レーザー光凝固を行った先天性網膜動静脈吻合症の1例
著者: 竹山知永子1 高橋寛二1 宇山昌延1
所属機関: 1関西医科大学眼科
ページ範囲:P.1233 - P.1237
文献購入ページに移動症例は12歳男児で,1年前から右眼視力低下を訴え,眼底には著しい網膜動静脈の拡張,蛇行と後極部網膜の広汎な強い浮腫と多数の硬性白斑,滲出性網膜剥離がみられた。螢光眼底造影により,動静脈吻合が証明され,後極部の動静脈吻合部付近の異常血管瘤から,強い血管外漏出がみられた。左眼ならびに全身的には異常はなかった。
治療として,色素レーザーの577nm黄色波長を用いて異常血管へ直接凝固を行った。
螢光漏出が著明に軽減し,吻合血管の白線化と,眼底所見の改善を見た。治療前の浮腫の長期存在による黄斑部の変性のため,視力改善は得られなかったが,続発性網膜剥離の進行を予防できた。
掲載誌情報