文献詳細
臨床報告
文献概要
26年前Cushing症候群による左副腎摘出術をうけた45歳の女性の二次性糖尿病の1症例を報告した。症例は重篤な糖尿病性増殖性網膜症(以下網膜症)となり,両眼硝子体手術を受けた。網膜症の進行には,一次性糖尿病の遺伝因子を持ち,その上,副腎皮質結節性過形成の発症がtriggerとなり,血中濃度S-Cortisol,尿中17-OHCSの高い基礎値が,関与していることが推測された。本邦では3例目で,硝子体切除術および全周輪状締結術を施行したのは初例であった。Cushing症候群による二次性糖尿病性網膜症の発生と管理の重要性について述べた。
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