icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻8号

1989年08月発行

文献概要

臨床報告

長期コンタクトレンズ装用の角膜内皮に及ぼす影響—2.変化の進み方について

著者: 上田直子1 深尾隆三1 本田孔士1 塩田亮一2

所属機関: 1京都大学医学部眼科 2株式会社サンコンタクトレンズ

ページ範囲:P.1283 - P.1288

文献購入ページに移動
 コンタクトレンズ(CL)長期装用者(平均14.6年),39症例74眼の角膜内皮細胞をspecular microscopeで観察し,日本人正常者平均値1)より,1SD以上と2SD以上ずれていた症例を抜き出し,その変化の進行の仕方につき検討した。その結果,角膜内皮の変化は,まず,変動係数(CV)の変化として現れ,次いで,CVの変化とともに平均細胞面積の増大がみられた。しかし,CL装用期間が長くなり,平均細胞面積が400μm2以上になると,CVの値は,かえって小さくなった。すなわち,CL装用による角膜内皮の形態的変化は次のような段階で進行するものと考えられた。1)大細胞が散在して出現する初期の段階,2)大細胞が数個連なり散在する段階,3)大細胞群,小細胞群と群れをなす段階,そして最後に,4)大細胞がほとんどを占め,小細胞が散在し残在する段階。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?