臨床眼科43巻9号

1989年09月発行

連載 眼科図譜・278

Alport症候群

著者： 小林義治¹ 松井晶² 関はるみ³ 松田健史⁴

所属機関： ¹伊勢崎市民病院眼科 ²伊勢崎市民病院小児科 ³伊勢崎市民病院耳鼻咽喉科 ⁴富山医科薬科大学第1解剖

ページ範囲：P.1318 - P.1319

　緒言　Alport症候群^1）は，家族性遺伝性腎症に感音性難聴を伴う疾患である。本症は遺伝子腎症の中では代表的疾患であるものの，その病因は明らかでない。本症の眼合併症として，円錐角膜・先天白内障・前円錐水晶体・球状水晶体・網膜変性等が報告されているが，いずれも稀なもので，我が国での眼科関係の報告も過去15年間で一家系3症例^2）に過ぎない。
　我々は10年間経過観察している本症の一家系の中の患児の眼底に，特徴的とされる所見を認めたので供覧する。