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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻9号

1989年09月発行

文献概要

臨床報告

閉塞隅角緑内障の発生と関係する瘢痕期未熟児網膜症の眼内諸要素

著者: 上田直子1 加藤研一1 大竹弘子2 根木昭3 竹内篤3 永田誠3

所属機関: 1京都大学医学部眼科 2和歌山赤十字病院眼科 3天理よろづ相談所病院眼科

ページ範囲:P.1337 - P.1342

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 0-2度の瘢痕期未熟児網膜症(CROP)のある3-23歳の42例83眼につき眼内諸要素を調べ,閉塞隅角緑内障の発生に関与する因子を検討した。CROP1度以上で,0度と比し有意に高く近視の合併があり,その近視度はCROPの程度が強くなるほど著明であった。瘢痕期2度中等度と強度では,全症例が−5D以上の近視であった。CROP眼での近視の特徴として,近視度に相関して眼軸が長くなる傾向があったが,眼軸長の延長はその近視度に比し少なく,2度強度ではかえって眼軸長が短かった。一方,近視度が強くなるほど水晶体厚径が大きく,前房深度が浅くなる傾向があり,水晶体が近視に関与していると考えられた。瘢痕期別では2度中等度以上で明らかに水晶体厚径が大きく,前房深度が浅い傾向があった。
 以上より,2度中等度以上のCROPでは,その晩期合併症として,水晶体厚性と考えられる高度近視の他に,閉塞隅角緑内障にも注意を払わねばならない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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