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臨床報告
海綿静脈洞硬膜動静脈奇形の経静脈カテーテル塞栓術
著者: 鈴木祐子1 吉田晶子1 岡部仁1 桑島治三郎2 高橋明3 吉本高志4
所属機関: 1東北大学医学部眼科 2広南病院眼科 3広南病院脳外科 4東北大学医学部脳研脳外科
ページ範囲:P.1349 - P.1352
文献購入ページに移動術前に眼症状として,6例に球結膜血管怒脹,眼球突出,眼圧上昇,4例に外眼筋麻痺,2例に眼痛,耳鳴,1例に視力障害と網膜症があった。術直後からほとんどの眼所見が著明に改善した。2例で外眼筋麻痺がわずかに残ったが,複視は消失した。1例で海綿静脈洞症候群が一過性に生じた。他の合併症はなかった。
本法は留置した銅線による血栓形成効果electrothrombosisを通じて,動静脈奇形部を閉塞することを意図している。従来の観血的治療法より手技が容易であり,流入血管の数や種類にかかわらず実施することが可能である。予期しない動脈閉塞の危険性が小さいこと,繰返して実施できること,他の方法との併用が可能であるなどの利点がある。本法は本症に対してまず試みられてよい秀れた方法と評価された。
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