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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科43巻9号

1989年09月発行

文献概要

臨床報告

黄斑部網膜剥離を伴うvitreomacular traction syndromeの硝子体手術

著者: 三宅養三1 三浦元也1

所属機関: 1名古屋大学医学部眼科

ページ範囲:P.1401 - P.1405

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 Vitreomacular traction syndromeは後部硝子体の不完全剥離に伴う永続的な硝子体の黄斑部癒着による黄斑部牽引を示す疾患であり,黄斑部が硝子体の強い牽引により持ち上がり,網膜剥離を生ずる場合もある。本症により黄斑部網膜が剥離し,視力が0.1以下に低下した3症例4眼に対して硝子体手術を施行し,1年以上の経過観察をした。本症の牽引要素は黄斑部を持ち上げる方向の求心性の牽引に加え,後部硝子体境界膜の網膜表面の癒着による水平方向の牽引も加味されている事が手術中に観察された。手術後網膜は復位し,全例に有意な視力向上がみられた。術前にcystoid macular edema (CME)が3眼にみられたが,2眼は硝子体手術後にCMEの軽減がみられた。黄斑部網膜剥離を伴う重篤な視力低下を示すvitreomacular traction syndromeには硝子体手術は良い適応となる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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