icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻1号

1990年01月発行

臨床報告 カラー臨床報告

桐沢型ぶどう膜炎に対する硝子体手術

著者: 沖波聡1 新井一樹1 吉田宗徳1 松村美代2 井戸稚子2 加藤研一2 飯田高志2

所属機関: 1京都大学医学部眼科 2兵庫県立尼崎病院眼科

ページ範囲:P.61 - P.66

文献概要

 桐沢型ぶどう膜炎7例に硝子体手術を行った。この中の1例は予防的レーザー凝固後に網膜剥離が発症し,硝子体手術に至ったものである。網膜剥離が発症してから硝子体手術を施行した6例中,シリコンオイルを一時的タンポナーデとして用いた5例は復位したが,その中の3例ではシリコンオイル抜去後に網膜剥離が再発し,再手術が必要となった。結局2例にはシリコンオイルを注入したままである。術後最終視力が0.1以上となった症例は2例だけである。硝子体混濁が強いために硝子体手術を施行した1例は,術後に網膜前増殖膜が形成されて牽引性網膜剥離を来した。桐沢型ぶどう膜炎は網膜剥離を発症する頻度が高く,しかも網膜剥離が起こると視力予後が不良なことが多い。網膜剥離の発症を防ぐために,硝子体混濁が軽度で病変が限局した症例にはレーザー凝固を,硝子体混濁が強い症例には acy-clovirを添加した灌流液を使用して硝子体手術と眼内レーザー凝固を積極的に行うのが良いと思われる。網膜剥離に対してはシリコンオイルを一時的タンポナーデとして用いて硝子体手術を早急に行う必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら