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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻1号

1990年01月発行

文献概要

臨床報告

一過性黒内障を再発し網膜中心動脈閉塞症を発症した内頸動脈閉塞症

著者: 奥山美智子1 前沢信義2 奥寺敬3

所属機関: 1山梨医科大学眼科 2昭和伊南総合病院眼科 3昭和伊南総合病院脳外科

ページ範囲:P.67 - P.70

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 網膜中心動脈閉塞症発症後,内頸動脈閉塞症が発見され,視力改善を見た58歳の男性症例を報告した。症例は初診までに7回の黒内障発作を経験していた。初診時右眼の軽度の視力低下と眼底の高血圧性および動脈硬化性変化を示していたが,その5日後,右眼視力は0.03に低下し,眼底は浮腫状になった。螢光眼底撮影にて著しい循環時間遅延が見られ,乳頭黄斑線維束は一部毛様網膜動脈にて灌流されていた。このことから中心動脈閉塞症と診断した。頸動脈造影で同側の内頸動脈閉塞症が発見された。入院後の保存的療法により視力は最終的に1.0に改善した。再発する黒内障発作および網膜中心動脈閉塞症の基礎疾患として,内頸動脈閉塞症を考慮すべきと考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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