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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻1号

1990年01月発行

文献概要

臨床報告

閉塞隅角緑内障を伴った後部強膜炎の1例

著者: 永本晶子1 永本敏之1 菊地糺2 木村肇二郎3

所属機関: 1国立霞ケ浦病院眼科 2菊地眼科医院 3慶応義塾大学病院眼科

ページ範囲:P.81 - P.85

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 閉塞隅角緑内障を伴った後部強膜炎の49歳女性を報告した。
 閉塞隅角の発生機序としては,1) ciliochor-oidal effusion,2)炎症の毛様体への波及に伴う浮腫によるiris lens diaphragmの前方移動による隅角閉塞が考えられた。諸症状の改善とともに近視の程度が減弱し,この近視はiris lens dia-phragmの前方移動によるものと,毛様体の炎症に伴う毛様体筋の痙攣によるものと思われた。後部強膜炎に閉塞隅角緑内障を伴うことは稀であるが,本症のように,その炎症の場所が前方である場合や程度の強い場合には,閉塞隅角緑内障を呈することがある。
 片眼性の閉塞隅角緑内障で疼痛・眼球突出・眼球運動障害・結膜充血などを伴い,その経過中に近視の程度が変化する場合には,後部強膜炎の存在を念頭におく必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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