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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻10号

1990年09月発行

文献概要

特集 小児眼科診療マニュアル—私はこうしている 検査の進め方と読み

両眼視機能検査の実際

著者: 矢ケ崎悌司1

所属機関: 1名古屋大学医学部眼科

ページ範囲:P.1547 - P.1551

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 両眼視機能とは,左右各眼の網膜に投影された視印象(retinal image)が視覚中枢において単一物として認知される機能であり,その最も高度な状態は左右各眼の視差より生じる三次元的感覚である立体視となる。両眼視機能の異常には抑制と綱膜対応異常があり,ともに斜視に認められる感覚適応と考えられている。
 乳幼児における正常な視覚発達には,視力とともに両眼視機能,特に立体視の発達が必要不可欠である。両眼視機能の発達,特に立体視の発達については,徐々に明らかにされつつある。検出方法の違いにより立体視の完成終期については差があり未だその時期は明確なものとはなっていないが,立体視の発達は少なくとも2〜3歳頃までは続いているものと思われるが,なおその後も不安定な状態が続いているようである。それに対し,立体視の萌芽時期についてはおおむね生後3〜4か月頃と一致した見解がなされている。それゆえ正常な両眼視機能を得るためには乳幼児時期の両眼視機能を測定し,早期にその異常をみつけ,適切な処置を行う必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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