文献詳細
文献概要
連載 眼の組織・病理アトラス・48
網膜上膜
著者: 向野利彦 猪俣孟1
所属機関: 1九州大学
ページ範囲:P.1732 - P.1733
文献購入ページに移動 さまざまな網膜硝子体境界の病変において,内境界膜上に細胞が出現することが病理組織学的に知られている。日常の臨床において,黄斑部を中心に網膜内境界膜上に膜状物をみることは多く,セロファン黄斑症,網膜前黄斑線維症,網膜前膜などと呼ばれてきた。最近は網膜上膜と呼ばれる傾向にある。網膜上膜は網膜血管病変,眼内炎症,網膜剥離手術,穿孔性眼外傷,慢性変性疾患などに続発してみられるが,原疾患を明らかにできない特発性もある。
検眼鏡的には,網膜表面にうすい線維状の膜を形成し,軽度の反射亢進を示す例(図1)から,明瞭な膜を形成するもの,さらに膜の収縮・牽引により雛襞を形成し,網膜血管の屈曲,蛇行を示す例(図2)までさまざまな段階がある。
検眼鏡的には,網膜表面にうすい線維状の膜を形成し,軽度の反射亢進を示す例(図1)から,明瞭な膜を形成するもの,さらに膜の収縮・牽引により雛襞を形成し,網膜血管の屈曲,蛇行を示す例(図2)までさまざまな段階がある。
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