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臨床報告
Wyburn-Mason syndromeと考えられた乳児例
著者: 安積淳1 宮澤裕之1 山本節1 勝盛紀夫2
所属機関: 1神戸大学医学部眼科学教室 2明石市民病院眼科
ページ範囲:P.1781 - P.1784
文献購入ページに移動正期産,正常体重で出生した男児に,生後間もなくより右眼の結膜充血が気づかれていた。生後3か月の当科初診時には,視力はPL法にて右0.005で,右拍動性眼球突出と右眼底のつた状血管腫,および網膜の出血と滲出物を認めた。頭部CT検査において右側眼窩および頭蓋内の血管異常と考えられる所見があったため,臨床的にWyburn-Mason syndromeと診断した。その後右眼に網膜剥離を併発し,生後6か月には右眼光覚(−)となった。
乳児期に発見されたWyburn-Mason syn-dromeの報告はこれまでにみあたらず,本症例は最年少報告例と考えられた。先天性網膜動静脈吻合は続発性に網膜剥離をきたす可能性があり,慎重な経過観察が必要であると思われた。
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