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連載 眼の組織・病理アトラス・49
コーツ病
著者: 猪俣孟1
所属機関: 1九州大学
ページ範囲:P.1822 - P.1823
文献購入ページに移動 コーツ病Coats' diseaseは網膜血管の異常拡張とそれに伴う網膜の滲出性病変を特徴とする原因不明の疾患である。網膜血管が多発性に血管の拡張または血管瘤を形成し,拡張した血管の透過性亢進によって網膜に滲出液が出る。その結果,濃縮された滲出液が外網状層に沈着して地図状の大きな硬性白斑を形成する。特徴的な眼底所見から,本症の発症原因として炎症が考えられ,かつて滲出性網膜炎retinitis exsudativaと呼ばれた。
コーツ病は主として10歳以下の幼年男児に発症する。通常片眼性で,まれに両眼性のこともある。類似疾患である粟粒血管腫Leber's miliaryaneurysmsはやや軽症のコーツ病とされ,20歳代から30歳代に発症する。コーツ病の眼底には,網膜血管の拡張や蛇行,点状または地図状の滲出斑(硬性白斑)と網膜出血がみられる(図1)。網膜下にも滲出液が貯留して,網膜剥離を生じる。まれに,コーツ病に網膜色素変性症を合併することがあるが,その理由はわかっていない。
コーツ病は主として10歳以下の幼年男児に発症する。通常片眼性で,まれに両眼性のこともある。類似疾患である粟粒血管腫Leber's miliaryaneurysmsはやや軽症のコーツ病とされ,20歳代から30歳代に発症する。コーツ病の眼底には,網膜血管の拡張や蛇行,点状または地図状の滲出斑(硬性白斑)と網膜出血がみられる(図1)。網膜下にも滲出液が貯留して,網膜剥離を生じる。まれに,コーツ病に網膜色素変性症を合併することがあるが,その理由はわかっていない。
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