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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科44巻12号

1990年11月発行

臨床報告

Duane症候群の臨床的研究—その1 視機能についての統計

著者: 杭ノ瀬美紀1 大月洋1 岡山英樹1

所属機関: 1岡山大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1851 - P.1855

文献概要

 Duane症候群の63例(Ⅰ型:45例,Ⅱ型:1例,Ⅲ型:17例)を臨床症状から3病型に分類し,頭位,眼位,視力,屈折,および両眼視機能を病型別に比較検討した。Ⅰ型は外転が主に障害されているもの,Ⅱ型は内転が主に障害されているもの,Ⅲ型は外転および内転がいずれも障害されているものとした。Ⅰ型では内斜視が多く,患側へのface turnが主な頭位異常で,視力,両眼視機能とも良好な例が多く認められた。Ⅲ型の眼位は水平偏位に上下偏位を合併する割合が多く,内転時にも上下偏位を認める例が多かった。このため頭位もface turn以外のものを多く認めた。Ⅲ型の弱視の頻度は,Ⅰ型よりもやや多いとはいえ有意差はなかったが,Ⅲ型のほうが立体視機能の不良な例が有意に多く認められた。なお,Ⅱ型は症例数が少なく十分な検討は行えなかった。これらの結果から,Duane症候群において,両眼視機能の獲得を阻害する要素としては,顕性斜視,それも上下斜視や内転時の上下偏位が考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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